新卒で入社した会社は「OA機器販売」の営業職でした。大学生活が終わり希望に満ちた生活が始まるかと思いきや、そんなことは全くありませんでした。社会人になってから右も左もわからない状態でしたが、会社がブラック企業なんだという事は働いて数日で分かったのです。
営業職は数100件の電話と訪問販売
毎日ひたすら何百件も電話をかけていました。そしてアポイントが取れれば、やっと営業に出かけるいうスタイルでした。しかしアポイントが取れないと上長の暴言が縦横無尽に飛んできます。
社会人としてこんな汚い言葉を使うのかと絶句する程です。精神が壊れてしまうというくらい脅迫めいた言葉や、人格を否定するものでした。
電話機本体を投げつけられ暴言を吐かれる
その会社では1時間おきに少しだけ休憩がありましたが、電話をしてアポイントが入らないものには「休憩の必要無し」というのも日常茶飯事でした。
上長から飛んでくるのは、暴言だけではなく何と「電話機本体」も飛んでくるなんてことがありました。こんなので怪我をすればそれこそ傷害事件になりかねません。
強引な営業手法は警察沙汰になった同僚もいた
お客様先へ営業に行くと「いくら断られても居座る」という営業手法を指示されていました。上司の指示が出るまでは決して客先からは出るな、と言われていたからです。
いくらなんでもそれは酷いと思い、私は上司の指示を無視して客先から出ていました。どうみても迷惑ですし、仕事の邪魔になります、いわゆる営業妨害というものです。
しかし中には真面目すぎるがゆえに、お客様に何と警察を呼ばれるまで居座っていた同期もいたという話も・・・。会社では暗黙の了解ですが、警察を呼ばれたら客先を出てもいいということだったようで呆れます。
とても精神が持たない職場
そんな営業手法をずっと続けていかなければなりませんでしたので、お客様に「押し売り」をしているような感覚に陥りました。断わりきれないお客様に商品を販売し、罪悪感で心が苦しくなり半年で退職しました。
悪いところはいくらでもありますが、唯一のメリットはとにかく「成果主義」なので、商品を売りさえすれば給料はたくさんもらえます。なんと月1回の昇給があったため、実力があればたった数か月で課長まで昇進できる環境でした。逆に言うと成果を出さなければすぐに降格や減給がある極端な待遇です。
もちろん未経験者歓迎でしたので、入社してから3か月はノルマはありませんでした。それ以降は明確にノルマが課せられて、達成できない場合給料が下がります。
幸いな事に「残業」「休日出勤」は少なめでしたが、営業範囲エリアが広い為、遠方に営業に行ったら帰宅時間がかなり遅くなるということはありました。
営業職というものは1つ売ってなんぼ、というものですので成果主義は仕方ありません。内定の敷居が低いのもこういった待遇で離職率が激しいというものもあります。その人の性格に合う合わないがあると思いますが、社内で電話機が飛んでいたり、警察を呼ばれるような会社は、どうみてもブラック企業以外の何者でもありません。