入社した人数だけ辞めていく、建設業のブラック現場について

建設業の某中堅電気工事会社で「現場代理人」をしています。現場代理人とは工事現場の取り締まりや施工・契約関係の事務処理などをする役目です。今の会社に就職してかは13年が経過しましたが、ブラック企業だと感じるところが多々あります。

建設業界は体育会系の代表選手

元々は建設業界全体で体育会系の雰囲気があります、体を動かすことが求められるため自ずと構成されるメンバーもそのようなメンツになってくる為です。そうなることで、上司や現場客先からの暴言はほぼ日常茶飯事にあり、文科系や精神的に耐性が無い若手社員は長くは続かずに僅か数年で退職していく状態です。

特に酷いものは「ノルマ」と「意味の無い働き方改革」の2つです。これにより現場は更に過酷な状況になっています。

その1:ノルマが鬼のようにきつい

出来高による「個人ノルマ」があるのですが、それがめちゃめちゃにキツイ設定になっています。もちろん1つの現場だけでは全く達成できないので、複数の現場を同時に担当させられます。

そこでは色々な現場から「打ち合わせ」「図面作成」「資料作成」等の要望の連絡がひっきりなしに入ります。毎日がドタバタで過ごさなければいけません・・・。

私や同僚が若手の時には、上司との定期面接がありました。そこで現場を経験したものとして現在の状況や離職率のあまりの高さを考え「ノルマの軽減」や「会社としてのサポート」を何度か要望しました。すると会社から言われる言葉は「早く仕事を覚えて効率よく作業すればいいだけだろ」とのこと。

ベテランになってもスピードが上がっても状況は一向に変化しない

それから年数が経ち、ある程度仕事の効率が上がるようになったのですが、全く楽にはなりません。なぜなら仕事が早く処理できるようになっても、その早くなった分だけ「新たなノルマ」が更に上乗せされるからです。

結局は若手やベテラン問わず、常に多忙を極めており毎日が深夜残業です。建設は土日にも工事が行われるという建設業界の特性もありまして、休日も月に2~3回しか取れないという異常な状態で、特に竣工現場が多い年度末では「ほぼ1ヶ月無休」です。

その2:働き方改革は結局「口」だけ

更にもう1つ問題になっているのが、最近流行り始めた「働き方の改革」を悪用したものです。私の会社もその流れに乗りまして、「残業時間の低減」「毎週水曜日は定時退社」の徹底を掲げ始めました。

するとどうでしょうか、労働時間の低減を宣言したにも関わらず「部署での売上ノルマ」は昨年よりも何と上がっているのです。働く時間を削減して売上を上げるとは・・・意味が分かりません。

新入社員を大量採用した分だけ、退職していくので増えない人材

毎年のように新入社員が入社してきても、ほぼ同じ数だけ会社の社員が退職します。結局処理する人員数は、例年と何ら変わりないのです。更に厄介な事に「労働時間を低減」が具体的に業務目標に加わっていたため、以前ほどの残業申請ができなくなりました。つまり、残業申請を受け付けてもらえないのです。

ということは、結局「サービス残業」で処理をしなければいけない事態になります。受け付けてもらえないからと言って、残業をしなくていいことにはなりません。現場の工事や作業が止まってしまいます。

そして最終的には「仕事量は増えて給料が下がる」という最悪の事態を引き起こしました。会社や上層部としては経費削減ができたので利益が増えているのでしょうが、社員としては会社の為に頑張っていこう!とは全く思えず、ブラック企業としか思えません。