夢のマイホームは「地獄」への片道切符だった?マイホーム地獄という現実

仕事で債権回収会社にいました。そこでは銀行で回収しきれなくなった債権を、回収するプロ集団として仕事をしています。義務や契約によって生じたお金は、必ず支払う必要があり、支払いが出来なくなれば回収の会社が動くのです。家賃の保証会社や健康保険の催促など、酷い場合は債券回収業者が動きます。

マイホームを購入して状況が一変、返済不能に陥った

マイホームに固執するあまりに、借金地獄にはまりこんでしまった家族に多く出会います。先日回収に行った先では、住宅ローンを返す為に「消費者金融」に手を出したり金利の高い怪しい業者にまで手を出していた、げっそりと痩せ細った奥さんに出会いました。

その方へ話を聞いてみると、最初は問題が無かったのですが後から「子供の進学」や「教育費」で頭が回らなくなったそうです。

年収は十分だが高いマイホームに手を出した

その方のご主人はサラリーマンで「年収500万円」あります。奥さんもパートをしてお互い働いているのに、この状態に陥ったそうなのです。普通に考えれば2人で年収600万円近ければ、返済に問題が起きる事は無いでしょう。

家を買う時期というものはほとんどの家族が、「子供が小さい」事が多いのです。そうするとあまり教育費がかかっていませんので、高校生以上になると「部活費」「塾代」「大学費」「生活費」等と、驚く程のお金が出ていくことに、気づくのです。しかし気付いてからでは手遅れで、都心部での一戸建てやマンションを購入した高額な返済と、複数の子供がいて同時期に出費が重なれば、返済は不可能に陥ります。

自己破産を進めたが、頑なに拒否

その家族には弁護士に相談して「自己破産」を勧めましたが、そうなると購入した(完済していないのでまだ自分のものにはなっていない)マイホームを手放さないといけなくなります。

どうしても嫌だと言うのです。しかしこのままいくと「債権回収会社が家を競売にかけます」と伝えました。そこで観念してマイホームを手放すことになったのです。

判断を間違えていなければ借金地獄になる事は無かった

住宅の中古市場でチラシやネット上で物件が掲載されています。そこではどうしてこんなに「綺麗な家・新しい家」が競売や売りに出ているのか、不思議に思ったこともあるでしょう。もしくは生活感たっぷりで、物が置かれた状態の家が販売に出されている事もあります。これは途中で住宅ローンが返せなくなったことで、手放した結果です。

この家族に関して言えば、生活が苦しくなった時点で早々と月々10万円以上かかるマイホームを手放し、安い賃貸に引っ越していれば良かったのです。そうすることで借金を雪だるま式に増やすことも無かったのです。夢のマイホームとはよく言われますが、何か恐ろしい呪縛のように感じました。