息子が中学生の頃の同級生の話です。息子はその頃バスケ部に所属していました、問題となるその子もやはりバスケ部で同じチームメイトでした。しかし同じ年齢の息子や他の子供たちに比べると、かなり痩せており小柄、中学2年当時でもそう見えなくて小学生と言われても分からない位の体格だったのです。
目次
同級生が突然来なくなった、もしかするとイジメ問題か・・・
その子が突然学校に来なくなってしまったのです。担任の話ではその子のお母さんから「しばらくお休みをさせます」と電話がありました。
実はその後担任がイジメ問題があったのではないか、そのせいで不登校になってしまった可能性を考えていたそうです。息子を含めた仲の良かった一部の友達には、担任からイジメがあったかどうかの聞き取り調査があり、実は休みの理由も担任には不明で分かりませんでした。
息子が助けを求めてやってきた、きっと何かあると・・・
息子から話があり「あいつの家はきっと貧乏だから、何かあったんだと思う、けど怖くて子供だけで行けない。お願いだからお母さん付いてきてほしい」と言われました。土曜日に他の親御さん達と息子達を連れ立ち、その子の家を訪問しました。
その地域では特に古い木造アパートで、ぱっと見は廃墟にでもなっていそうな雰囲気がありました。二階に登る階段や廊下は鉄骨でしたが、床に貼られた鉄板が腐食しており穴が空いていました、乱暴に歩いたら底が抜けてしまいそうな雰囲気だったのです。
家の中には男の子と女の子だけ
その子の家は1階の端にありまして、ピンポンらしき物があったので鳴らしてみました。しかし壊れているのか鳴っている様子が無かったので、ドアを叩いて名前を呼びました。
すると反応はすぐありました、中からは幼い女の子の声が聞こえたかと思うと、ドアが開いて息子の同級生が出てきまたのです。その姿はヨレヨレに伸びきったTシャツで汚れており、以前に見かけた時よりも痩せ細っている様に見えました。
妹の看病をする人が他にいない、親も帰ってこないとのこと
出てきた息子の友人は、息子達の後ろに立っている私達を見て少し警戒していました。なぜここにきたのか、皆心配しているなど、私が代表して彼と話をしました。
すると彼は「妹が高熱を出している」ので、その看病をする為に登校出来ないと言いました。小学生の妹を中学生のお兄ちゃんが何日も看病していたのです。
お母さんはというと昼も夜も働いており、家に帰って来るのは朝と夜のそれぞれ3時間程度しかいないとのこと。それからすぐに寝てしまうので、話が出来るのはほんの数分だけしかないと言うのです。
お父さんは帰ってこず、お婆さんは亡くなった
お父さんは以前住んでいたアパートから出掛けたきり、もう何年も会っていないそうです。今までは「お婆ちゃん」が一緒に住んでいて面倒を見てくれていたそうですが、そのお婆ちゃんも半年前に亡くなってしまったというのです。
お兄ちゃんは「妹を病院に連れていってあげたいけど、お金がなくて連れて行けない」と言いました。ドアの隙間から室内が見えましたが、荒れ放題でめちゃくちゃでした。流石にここまで来て、こういう事情を聞いて放置する訳にもいきませんし、息子の友達です。
ドラッグストアで熱冷まし等を買いにいき、事の次第を全て学校に報告しました。後から聞いた話ですが、どうやら彼のお母さんは若干の「知的障害」があったそうで、生活保護の申請や離婚の手続きなどをやっていなかったとの事でした。
生活保護でパチンコをする方がいる一方で、子供が苦しくて学校へ行けないという方もいます、こういうところへこそ保護やお金を回してあげるべきだと強く思います。