子供が高校を卒業して工業系の大学へ入学することが決まりました。とても喜ばしいことでしたが、銀行預金が少なく学費を支払えないという事態に陥りました。妻と相談をした結果、実の兄からお金を借りることになったのです。兄にお金を断られたら金融機関で借りる予定をしていましたが、利息が支払えるか心配でした。
目次
兄に借金の相談にいくと、何とか工面してもらえた
兄の家へ行き、事情を話しました。お金を借りる話し合いでは、兄の顔を見るのが怖くて下を向きながら話をしました。借りようと考えていた金額が「あまりにも高額」だったのがその理由です。もちろん額が額なだけに断れる可能性も高いと感じていました。
誠心誠意包み隠さずに話を伝えると、兄は「仕方がない、貸してやるよ」と言ってくれました、兄は昔から頼りがいがあり本当に嬉しかったのです。深々と頭を下げてお礼の言葉を述べ岐路に着きました。
毎月5万円を返済する
借りた金額は「400万円」です。「毎月5万円」を返済することになりました。幸い身内から借りていたので、本来銀行であれば高い金利を支払いますが、金利を支払う必要が無くてとても助かりました。
銀行から借りていたら、貸してくれてはいたかもしれませんが後述する会社の問題なども絡むと、問題なく返済できていたかは分かりません。
会社が不況で給料をガクンと下げられてしまった・・・
子供が大学に通って2年間は順調に兄に返済は出来ていました。しかしその次の年に私の会社が不況に見舞われたせいで、毎月頂いている給料がガクンと減りました。家計に打撃を与えるほどの金額が減ってしまったため、半年程は毎月5万円の返済を待ってもらいました。
半年が過ぎると何とか会社の調子が戻ってきて、給料も以前と同じ額をもらえるようになりました。この頃はこれ以上会社が悪くなると、本当にどうすればよいかと毎日考えていました。
兄への続きの支払いもこの頃に再開することになりました。幸いなことに会社の状態が悪かったのは、この時期だけで後は心配する必要はありませんでした。
兄に対して尋常ではないくらい気を遣った
頼み込んで「お金を借りている」という負い目があるせいでしょうか、兄へ何かをしないといけないような気が常にありました。例えば裏の畑で採れた野菜を持っていったりし、お中元やお歳暮なども毎年欠かさずに送るのではなく手渡しています。
今までそんなことが無かったものですから、さすがの兄も「そこまで気を遣わなくていいから」と言われましたが、こうでもしないと気持ち的に自分が納得しませんでした。
夫婦で共に苦しみを分かち合う
家で専業主婦として生活していた妻には、生活費の為に「パート」として働いてほしいとお願いをしました。生活が厳しいことを妻は重々理解していましたので、素直に頷いてくれて近くのスーパーで働き始めました。お互いが仕事に精を出して子供の為に尽くしたのです。
子供の方は特にこれといった変化はありませんでしたが、無難に大学生活を終えてくれたので安心しました。年間60万円の兄への支払いは、子供が卒業した4年後からもう2~3年支払い続けて無事完済しました。