父親の干渉は年を取るにつれ次第に強くなっていきました。母が買い物へ行って帰って来るのが遅くなると、段々とイライラし始めて帰ってきた母を叱ります。近所で立ち話をしていてもその場では人目がある為に何も言いませんが、家に入るなり「いつまで話しているのだ!」と叱ります。
事細かに干渉してくる父と耐える母
母が買ってくるスーパーの食材の「値段」もチェックしては「こんな高いものを買ってきて!」とケチをつけます。ですので母は父の目につく前に値札を前もって剥がします。
元々我慢強い母ですので文句は聞き流し、口論になる事はあまりありません。しかしあまりに理不尽な内容に、子供の私達が怒りを覚えていました。
定年後は家にいる時間が長くなり、干渉も増していく
父親は仕事をしていたときから、親戚付き合いもなければ友人もいません。定年後はずっと家でテレビを見ている生活です。そんな家にこもる父は、次第に輪をかけて干渉が強くなりました。
テレビ番組にケチをつけ始めると、人のファッションについて、私の色鮮やかな赤いサンダルにもネガティブコメントを連発します。ある日、近所のドラッグストアへ買い物に出かけました。自転車でいろんな店を回っていた夏のまだ日の高い18時頃です。私が信号待ちをしていると向こう側から、単車に乗った老人が向かって来ました。
心配しているのか、怒っているのか・・・
遅いから探していた、いつまでほっつき歩いているのだと怒る父でした。他にも娘の私達が実家を訪問した時に、当初は笑顔で話をしていたものの徐々に夕刻になるとイライラしている様子が出てきました、男性の更年期障害でしょうか・・・。
実家までは車で一時間の距離ですが、夕方6時頃になると「車が多くなると危ないから早く帰った方がよい」と静かに促しはじめました。
それからもしばらくすると「まだいるのか!」と突然怒りモードになります。訳もわからず嫌な気分になり家を出たのですが、あまりの豹変振りに私達を心配しての言葉とは到底思えなかったのです。
唯一の同居人の母に対してきつく当たる
今から思うと、普段唯一の会話相手の母が娘の私達に取られたと思い、父親以外で盛り上がっているのを見て、父は疎外感を感じたのでしょう。昔からこの様な父でしたので、娘の私達は全く父に寄り付かずに母寄りでした。
もっと母に会いに実家を訪問をしたいのですが、なにせ父がいる限りはゆっくりもできません。常に顔色を伺いながら地雷を踏む前に退散する・・・そんな関係です。たまに母を外へ連れ出して食事をしますが、「早く帰らなければお父さんに叱られる」と、そわそわする母が不憫でなりません。
旅行も父が生きている限りは不可能です。頑固な老人というならば聞こえがいいですが、これは立派なモラハラで度を越えています。家族円満という普通の親子関係が持てない、いつも顔色を伺わなければならない、徐々に実家を訪問するのも足が遠のきました。
しかしそれでも父は全く構わない様子です。元々人付き合いの下手な人でしたので、母と二人だけの生活に外野が足を踏み込むのが嫌で付き合いたくない様子です。それならばそれで別に構わないのですが、道連れにされて疲れている母が不憫でなりません。今後更に年を取った両親がどのように暮らすのか心配です。